「古民家を民泊施設へ」
このお屋敷の主は第二の人生を楽しむ為に都会との二拠点生活を選びました。
忙しく過ごした都会での仕事を退職し、海が近くゆっくり過ごす事のできる地を探してこの古民家にたどり着き、購入を決意。
築92年の古民家は清風菴と屋号のついたお屋敷。
土塀で囲われたお屋敷は南と北に日本庭園があり、完全なプライベート空間。
自身だけでなく、自分のような県外からのお客様も香川県の良さを感じて貰えるような交流の場にしたいと、活用方法を模索していました。
また多趣味がご主人は、さぬきうどん好きが高じて、うどん学校も卒業し、いつかうどん屋をしたいという夢もお持ちでした。他に木工、船乗りなど毎日勢力的に人生を楽しんでいました。
「歴史ある建物に手をいれる」
そこで、蔵を木工部屋に、母屋の台所を厨房にしてさぬきうどん打ち体験も出来る民泊施設にする事を決められました。
重厚は構造、美しい白漆喰の外壁、意匠の凝った欄間や、襖。女中さんがいた部屋もあり、普通の民家とは違う風格のあるお屋敷。
また殆ど壁の無い構造で躯体のみで成り立っている開放的な造りでした。
ここを訪れた方がお庭の四季を感じ、現実から少し離れ、心が落ち着くような空間にリノベーションをしたいとプランを練りました。
まず、南面の縁側を一段低くし、お庭との高低差がなるべく感じないような土間をもうけることに。
また縁側は半間だった間口を一間に。(1800㎜程度)
外部面は断熱性に考慮し、ペアガラスサッシに入れ換えました。
土間はタイル敷きにしてペットとも一緒に過ごす事のできるサンルームに変えました。
座敷は3間を一つにして、フローリングに。天井を撤去し梁の見える造りに。選んだフローリングは床暖房対応のなぐり加工の床。
自然な凹凸は素足に気持ちいい感触を与えます。冬はガス床暖房が入ることで居心地良く過ごす事ができます。
もともと南外壁面に使っていた木製ガラス戸は、リビングとサンルームの間仕切り戸へとリメイクしました。
リビングダイニングにはゲストがゆったり使えるL型キッチンを。広いお庭を眺めながら調理出来ます。
奥の畳の部屋は取り壊さず、内装だけ変えて寝室の間に使うことに。
水回りはもともと女中部屋だった場所を洗面室に。お風呂は旅館気分でリラックスできるように桧風呂を採用しました。
また玄関から入ると厨房も見え、ご主人が板前姿でうどんうちの準備をしている様子も伺えて、旅のワクワク感もより感じて貰えます。
この清風菴から大串半島や海水浴場、さぬきワイナリー、志渡寺など観光名所もあり、是非一棟貸し切りのゆるりとした時間をお楽しみ下さい。